片麻痺の方の入浴介助方法入浴介助って専門的で難しいとおもっていませんか?実は基本的なやり方が分かればカンタンなんですよ。
また目的や意味を理解しておけばイレギュラーの際も対処できます。怖がらずにまずはやってみましょう。
入浴介助の目的
何が一番大切か入浴は普通であれば毎日入りますよね?毎日洗わないと痒くてたまらなくなりイライラしてしまいます。
しかし、患者さんや利用者さんはせいぜい週に1〜2回です。
入浴介助に入ると、時間に追われちゃっちゃと終わらせてしまおうと思われるかもしれませんが相手にとっては貴重な貴重な入浴の時間ということを忘れないで下さい。
専門的なこと云々の前に、相手の立場になって介助に当たるという気持ちで頑張りましょう。
入浴の目的は教科書にも書いてありますが簡単に言うと下記の3点です。新人さんはこの3つが分かっていれば大丈夫。
- 身体の清潔を保つ
- 全身の皮膚の観察
- 爽快感を感じてもらう
1、身体の清潔を保つ
冒頭にも書いた通り、入浴の機会が少ないので確実に綺麗に洗います。
皮膚に便などの汚れが残っていることで褥瘡や皮膚のトラブルにも繋がるので素早く確実に洗い落とします。
2、皮膚の観察
皮膚を見るには入浴が一番のチャンス!ご家族でも陰部の状態までは詳しく見れません。
入浴前に正しく観察して異常があれば入浴前に看護師に報告しなければいけません。
なぜ入浴前かというとジュクジュクの傷があるのに防水保護せずに浴槽に入ってしまえば細菌感染し傷が悪化するし不特定多数が入る浴槽にも菌が広まるからです。
褥瘡や細かい湿疹の見方がありますが、とりあえず出血、内出血、体液が出ている湿疹、皮膚の壊死があれば必ず看護師に見てもらって指示を仰ぎます。
入浴後に看護師の処置がある場合もあります。また介護士で軟膏や保湿剤を塗ることも多々あり必ず手袋を着用します。
3、爽快感を感じてもらう
患者さんや利用者さんは食事と入浴が唯一の楽しみとほとんどの方が言われます。
また、私たちよりも運動の機会が少ないので入浴することで全身の血行を促します。入浴剤やリラクゼーション音楽を使用するのも良いですね。
さて、これらの目的を達成するのですが患者さん利用者さんの体調の変化に注意すること、転倒なく安全に移動することが一番大切なことですので気を引き締めて介助に入りましょう!
環境整備、物品の準備環境整備
入浴前にイスやカゴがきちんと安全な場所にあるか、バスマットが引っかからないように綺麗に敷いてあるか確認します。
湯温の確認は重要です。39度から41度に設定して下さい。また浴室、脱衣室に温度差があると急激に血圧が変動するので真冬は適度に暖房を使用します。
物品の準備
- バスタオルは1枚、フェイスタオルは2枚
- リンスインシャンプー、石鹸かボディソープ
- 洗顔フォーム
- 入浴後の軟膏や保湿剤
- 着替えがあれば用意します脱衣→洗髪、洗体→浴槽→着衣脱衣
- 片麻痺がある方は脱健着患(だっけんちゃっかん)という4文字を覚えていれば大丈夫
- 脱ぐ時は健側 動く方から脱いで麻痺側に引き抜く
- 着る時は患側の麻痺側から着て健に通す
洗髪洗体
洗い場への移動は転倒しないよう麻痺側を介助しながら移動します。
まずは洗髪。シャワーの湯温を足先で確認してもらったらお湯でさっと洗い流します。
リンスインシャンプーを泡だてて必ず片方の手で頭を固定してから片手だけを動かして洗います。頭がグラグラしないようにしましょう。
痒いところがないか聞きながらお湯で流します。
洗顔は利用者さんの動く手にフォーム泡を乗せて自分で洗ってもらいます。
フェイスタオルで頭と顔を拭きタオルに石けんをつけ背中と動く方の腕を介助します。タオルを渡して自分で麻痺側の腕と陰部や届くところを洗ってもらい最後に出来てないところを介護士が洗います。
最後にしっかりお湯で流し石けんが残らないようにします。
浴槽へ
バスボードを設置して座ってもらい健側の足から動かして麻痺側の足は介護士が介助して浴槽につけます。
手すりにつかまり立ってもらいバスボードを抜いて麻痺側の脇と腰を支えてゆっくり浸かります。5分を目安に上がってもらいます。
着衣
バスタオルでさっと背中だけ拭き麻痺側を介助しながら脱衣室へ戻ります。イスにバスタオルを敷き新しいフェイスタオルで拭けてないところを介助します。
着患を意識して介助し最後に髪を乾かします。可能であればすぐに水分補給しましょう。
いかがでしたでしょうか?行動の一つ一つで必ず患者さんに◯◯しますね、と声をかけてください。
また、リハビリにも繋がるので出来るところは本人さんにしてもらいます。全介助はその人の能力を奪うことになるのであくまでも補助ということでお手伝いして下さいね。