現場に出る前に覚悟すること
現場は忙しいです。教科書の中のことは簡潔に書かれているだけで、ご利用者という「人」を相手としているためたくさんのことがいっぺんにやってきます。
そのため、仕事があふれている状態です。教えてもらいたいけど教えてもらえない状況。教えてもらっていたのに、トイレに行きたいや徘徊しだしたなどのことが起こり、そちらに行かなければならなくなったり。
急に一人で対応しなければならないことが出てきます。その時に、放置されたや何も教えてもらえなかったと思わず、手の空いている先輩職員に質問しましょう。
「何か注意する点はありませんか?」、「トイレに行きたいと言っています。」など報告をすることで教えてもらえるチャンスがきます。
たくさんのことをいっぺんにおぼえるようになってしまうかもしれませんが、ご利用者と多くかかわることでたくさんの情報が知れ、いろんな場に対応できるようになります。
研修中に独りぼっちになったら、とにかくご利用者と関わり、先輩職員に報告をして教えてもらえるチャンスを伺いましょう。
移乗について
介護職の基本的で且つ、最も多い介助です。この場合、ご利用者は声掛けのみで立てるのか、それとも声掛けをしつつお尻を支えたりといった一部介助をしなければならないのか、全介助を行わなければならないのかなどをまず確認しましょう。
その後、拘縮や痛み、下肢の状態などの具体的な確認をすることでより安全に行うことができます。
また、ご利用者がコミュニケーションを取れる方であれば、声掛けを行いながらできることできないことを確認し行います。わからなくなったら、勝手に判断せずまずは先輩職員に確認しましょう。
勝手に行うことが事故につながったり、先輩職員に怒られる原因となることもありますので注意してください。
トイレ介助について
トイレ介助では、慣れると忘れがちですが必ずディスポの手袋を使用してください。当たり前のことですが、感染を防ぐためです。
また、トイレ介助では、移乗ができても、安定して座位保持ができない方もいますので、見守りをしていなければならない方なのか、離れてもよい方であれば、安定して座位が保てるよう足が床につくようにし手すりをしっかりとつかまってもらうようにしましょう。そうしないと、目を離したすきに便座から転げ落ちます。
食事介助について
勤務初日からいきなり食事介助を任されることもあります。しかし、食事介助は意外に難しいもの。利用者のことを知らないとほとんど食べていただくことができませんし、誤嚥をしてしまうことも考えられとても危険です。
それでも、お願いされることが現実です。そのため、まずは声掛けを行いながらご自分で召し上がっていただきながら介助を行う一部介助でよいのか。
全介助であれば、口はどのぐらい開くのか、一度にどのぐらいの量で食べれるのか、麻痺はあるのか、とろみは使用するのかなどを確認しましょう。
また、ご利用者の食べるスピードを確認しながら介助しましょう。介助するとわかりますが、ご利用者から見たら、介助者は次から次へと口に運んでくる感じで飲み込みは私たちが感じるよりずっとゆっくりです。
介護技術が上手になるためには
自分の身体状況を理解しましょう。身長が高い方、小さい方で、教科書に書いてあることと同じやり方は通用しません。
教科書は基本的な介助の仕方であって、小さい方が、手を広げても頭の下に手を入れながら足を持って、ベットから端座位にすることは容易ではありません。
その場合、自分と同じぐらいの身長の先輩職員にどんなやり方をしているのかなどを聞いてみることも必要です。また、介助は力で行うものではありません。
自分とご利用者の距離が離れれば離れるほど手の力を使い腰を痛めます。また、腰を使わずにかがめばかがむほど体が疲れます。
介護技術がうまくなるためには、自分と利用者との距離、以上の場合は移動物と利用者の距離などが重要とされます。体と距離を理解することで力の入れ方も上手くいき技術が向上します。そして、腰も痛めません。