「介護職につきたい!」とあなたが最初に思ったのはいつ頃でしょうか。
また、その時の気持ちを覚えているでしょうか。
業務や残業で忙しく、そうした気持ちはどこかに消えてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
今回この記事では、そうした皆さんに介護職の置かれている状況と、転職という選択肢について紹介させて頂きます。
転職したいと思う理由は様々ですが、しっかりと考えぬいた結果の転職であれば必ずよい結果があなたを待っています。
厚生労働省の調査によるとうつ病などの気分障害といわれる患者数が推計111万人。
このストレス社会の中で、介護職がうつ病にならないための予防法を紹介します。
介護職の労働環境と労災申請件数
現在介護職に就いている方にとってはあたり前の情報かもしれませんが、介護職の労働環境がどのような状況になっているのか客観的データで今一度確認しておきましょう。
以下にまとめたのは、2016年5月に厚生労働省から発表された、介護を含む「社会保険・社会福祉・介護事業」の精神疾患の労災申請についての調査結果です。
- 介護を含む「社会保険・社会福祉・介護事業」において、仕事のストレスが原因で「うつ病」などの精神疾患を発症したとする労災申請は、2010年度には85人だったが、2014年度には140人にまで増加
- 介護を含む「社会保険・社会福祉・介護事業」が、精神疾患の労災申請件数において業種別でトップ
- 労災認定を受けた人の数が2009年度の10人から14年度には32人に増加
- 現場の人手不足などによる労働環境の過酷さ
- 過度な肉体的・精神的負担のかかる職場環境での疲労による注意力・集中力などの低下
原因についてはさほど驚くべき結果は含まれていません。疲労がかかればストレスがたまり、精神疾患や事故につながるのは当然のことで、国・自治体、そして事業所で働いている人たちもそのことは知っています。
問題は、働いている人たちはその状況に慣れてしまっていて、あたり前のことを改善することがなかなかできないことです。
この問題にまさに直面している方、心あたりがある方が読者の皆様の中には多いのではないでしょうか。
介護職がうつ病になる原因
前項で労災認定を受けた人は、なぜうつ病になったのでしょうか。
うつ病などの精神疾患による労災認定は厚生労働省が定めた「労災認定基準」により行われます。
「労災認定基準」に明記された主な事項は以下の通りです。
- 月160時間程度の時間外労働
- 発病直前の連続した2か月間に、1月当たり約120時間以上の時間外労働
- 発病直前の連続した3か月間に、1月当たり約100時間以上の時間外労働
- セクハラやいじめが6か月間継続
- 強姦やわいせつ行為
こうした労災認定基準の審査を通過する人が増加するということから、うつ病の原因は労働環境・人間関係にあることがわかります。
うつ病の症状とチェックポイント
仕事が大変なのは介護職に限ったものではありません。大変な仕事はやりがいのあるものです。
しかし、行き過ぎてしまうと「大変」の意味が異なってきて、心身のバランスを崩してしまうことになります。
そもそも、うつ病とはどのような状態のことを言うのでしょうか。
厚生労働省のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では以下のように特徴がまとめられています。
- 脳のエネルギーが欠乏し、さまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)が低下した状態が続く
- 自然治癒力により時間の経過とともに改善しない、あるいは悪化する症状が見られる
- 仕事・家事・勉強、人との交際や趣味など日常生活全般に支障を来すようになる
また、うつ病などの精神疾患の労災認定は、厚生労働省が定める「労災認定基準」に基づき、仕事の負荷との因果関係を判断した上でおこなわれます。
認定基準には以下のような項目があります。
- 長時間の残業や業務の内容・量の大きな変化
- 長期の連続勤務
- パワハラやセクハラの有無、そのストレスの程度
厚生労働省の認定基準からも明らかですが、長時間労働・業務内容の大きな変化・長期の連勤・パワハラなどは「あたり前」ではなく改善の余地があります。
今の皆さんの職場で、身の回りに何か心当たりのあることは起こっていないでしょうか。
もし起きているとすれば、労災認定されるかされないかの問題以前に、職員の精神疾患につながる重大な危険性があります。
うつ病になる前に必読!うつ病の予防法
自分がうつ病にならないため、そしてまわりの人がうつ病であることに気付くために、その特徴と予防法を知っておく必要があります。
うつ病の主な症状である「憂うつ感」には以下のような特徴があります。
- 楽しみや喜びを感じない
- 何か良いことが起きても気分が晴れない
- 趣味や好きなことが楽しめない
こうした症状が2週間以上継続すると、うつ病という病気として扱われます。問題点は生活習慣病と混同して自覚しにくいことです。
厚生労働省のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」で推奨されているのは、睡眠に注目する方法です。
- 寝つきに30分以上かかる
- 途中で何度も目が覚める
- 朝やたら早く目が覚める
- 熟睡感がなくなる
こうした症状を自覚したら、下記のような方法を試して、心身をうまくコントロールしましょう。
- 仕事の仕方を再検討する
- 就床前4時間のカフェイン摂取を避ける
- ぬるめのお湯での入浴や音楽などでリラックスする
- 目覚めたら日光を取り入れる
- 趣味など自分のための時間を確保する
- 休日の過ごし方を工夫する
ご覧頂いて分かる通り、これらは決して難しいことではありません。
しかし実際、しっかりと自分の心と体に休みを与えることは職場への配慮などから逆に手間がかかり、忙しい日常を忙しいまま過ごしてしまうことのほうが簡単です。
少しの勇気を振り絞り、休む時間を確保したり、思い切って職場を変えたりすることも時には必要なのだと心の片隅に留めておいてください。
精神的に疲れてしまったら介護職専門の転職サイトを活用して転職しよう
介護職のお仕事が好きだという気持ちがたとえいくらあっても、労働環境やストレスの問題があっては仕事を続けることはできません。
そうした何か問題がある状況を変えようと思うことは、決して自分の気持を裏切ったり、諦めたりするということではありません。そしてその一歩は、案外簡単に踏み出すことができます。
もしあなたが介護職に転職したいと既に思い立っているならば、転職のためのサポートを無料で受けられるサービスがあります。
例えば「カイゴジョブ」のホームページでは、介護職の転職に特化したプロによる相談を無料で受けられるほか、職場ごとの特徴が説明されています。60万人が会員として登録していることからも、多くの人が転職の可能性を視野に入れながら日々過ごしていることがわかります。
まずはホームページで違う職種の特徴を眺めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
次にお伝えしたい点は、介護職における人材不足についてです。
「2025年問題」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。政府が、団塊の世代が75歳以上になる2025年の社会状況について試算したものです。
以下のような点が指摘されています。
- 介護・医療費などを含む社会保障費が急増
- 看護・介護の人材不足が深刻化
- 離職した看護師や介護福祉士を登録する人材バンクや、離職者を勧誘する必要性
このようなデータから、介護職の人材不足が日本社会における重大な問題と考えられていることがわかります。
また同時に、介護職の経験がある方がそれを最大限に発揮できる適切な場所に配置されることが、状況改善のために大変重要です。
例えば、経験ある人材が労働環境のせいでその能力を発揮できないようであれば、それはその人が働く適切な場所ではないということです。
つまり、もし皆さんの中で長時間労働や残業のせいで自分の力が発揮できていないと感じる方がいらっしゃる場合、自分の気持に正直になって転職活動を行ったほうがよいということです。
もしその気持が確認できた上でも不安が残るようならば、それは自分の経験に対してではなく転職活動自体に対する不安感です。
転職で失敗しないためには転職エージェント選びも重要な要素の一つです。
[aside type=”normal”] 転職エージェントを選ぶ3つのポイント- 求職者の細かな要望に応えられるよう十分な求人を保有している(介護職の場合、特に条件アップや待遇の改善)
- 求人先の離職率や職場の雰囲気、上司の性格などの内部情報を把握している
- 内定をもらうための履歴書のアドバイスや面接対策を行なっている
特にスマイルサポート介護は、介護職からの評価が高く上記3つのポイントを十分に満たす転職エージェントです。
もともと首都圏を中心に求人紹介をしていましたが、今では全国の求人を取り扱う上、派遣での就業もサポートしているためライフスタイルの変化に伴って生涯頼っていける転職エージェントです。
たとえ今すぐに転職するつもりがなくても、普段から転職サイトはマメにチェックしておき、条件の良い求人が出たらすぐに対応できるよう準備しておきましょう。
まとめ:思い切って環境を変えることも選択肢のひとつ
いかがでしたでしょうか。転職するということは、人生における重大な一歩です。
もちろん慎重に物事を見極めることも重要ですが、勇気も必要です。
「介護職につきたい!」と最初に思った時の気持ちを思い出して、自分にどのような選択が必要なのかこの記事をきっかけに考えてもらえたらば幸いです。