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介護職の離職率【2017年最新データ】

介護士の離職率

「きつい・汚い・稼げない」3つのKで不名誉にも離職率の高い仕事というイメージが強い介護職。

せっかく転職したのに働き始めて1週間も経たないうちに辞めてしまうなど、思わず「本当に!?」と耳を疑いたくなる現状を訴える声もよく聞かれる介護業界ですが、実際の介護職の離職率はどの程度なのでしょうか?

高齢化を迎えた今、介護業界は未曾有の人材不足。政府も人材確保のための政策実行に乗り出している今、介護職の離職率について詳しく見てみましょう。

介護職の離職率の現状と他業種との比較

介護職・他産業の離職率

厚生労働省が発表している「雇用動向調査(平成27年)」を見てみると、医療・福祉関連の離職率は14.7パーセント。

全産業の平均離職率は15パーセント、もっとも離職率の高い宿泊業・飲食サービス業が28.6パーセントですからそれほど高くないように思えますよね。

介護事業所に対して毎年行われている、公益財団法人 介護労働安定センターの「介護労働実態調査(平成27年度)」を見てみても、離職率は16.5パーセント。

平成20年以降20パーセントを下回り、全産業比率とそれほど変化はありません。

職種・雇用形態別の離職率

介護職と一言で言っても、正規・非正規といった働き方の違いや訪問介護か施設介護かといった職種の違いがありますよね。

同じく「介護労働実態調査(平成27年度)」では、職種・雇用形態別の離職率も調査されており、もっとも離職率が高いのは非正規の介護職員で21.7パーセント。次いで正規の訪問介護員で15.8パーセントとなっていました。

訪問介護員と介護職員とを比較すると、介護職員の離職率が17.6パーセントであるのに対し、訪問介護員の離職率は14.1パーセント。雇用形態別にみると、非正規職員の方が離職率が高い傾向にあります。

ここで、注目したいのが1年未満で辞めていく人の割合。

離職者のうちで1年未満に辞めていく人が一番多いのは職種は介護職員(41.6パーセント)、雇用形態では非正規職員のうち常勤スタッフ(46.2パーセント)が多くなっています。

また、1年以上3年未満の離職者は離職者全体の34.6パーセント。「1年未満」「1年以上3年未満」を合計すると74.8パーセントの人が3年以内に辞めていることがわかります。

こうした現状は、介護の仕事を始めてみて「理想やイメージと違った」と早々に仕事を辞める人が多いことが予想されます。

介護職の人手不足に関して

人手不足の原因は「採用しにくさ」の方が大きかった!?

統計上、離職率は他の業種とそれほど差がないようにも思える介護職の離職率。

その一方で、「介護労働実態調査(平成27年度)」では介護従事者に対する意識調査では「人手が足りない」と感じている人が全体の半数にものぼっています。

また、介護事業所側でも従業員の不足を感じている事業所の割合は「大いに不足」「不足」「やや不足」を合計すると全体の6割が不足感を感じています。

ただ、不足している理由を問う設問では「採用の困難さ」を上げる事業所がもっとも多く全体の約7割。問題の離職率の高さを理由としている事業所はわずか15.8パーセントです。

こうした調査からわかるのは、現状の介護人材不足は、介護職を辞める人の多さよりも、そもそも介護の仕事に就きたいと考える人が少ないことが理由として大きいことがわかります。

どうして人手不足なの?

2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、一気に介護や医療ニーズが高まると予想される今。介護現場の人で不足問題は深刻な様相を呈しています。

政府も介護人材の確保のための施策として、介護職員への待遇改善策などを打ち出していますが、月収が増えてもボーナスがその分減らされてしまうなど、なかなか待遇改善を感じられないという声も現場から数多くあがっています。

介護事業所側も、介護の仕事に就きたがる人がいない理由として「賃金が低い」ことを挙げている事業所が全体の57.4パーセントと成っており、その他「仕事がきつい(身体的・肉体的)」ことや「社会的評価が低い」ことなどをあげる事業所が全体の4~5割ほどとなっています。(平成27年度介護労働実態調査より)

離職率の高い施設・職場の特徴

人手不足が離職率に拍車をかける負のスパイラル

介護現場で働く人の多くが口にするのが「人手不足」。

利用者の方に丁寧なサービスをしてあげたいと思っても、人手が足らなければ時間が足りずに、機械的に業務をこなすしかありません。

こうした人で不足の施設・職場では、働く人への精神的・肉体的負担が大きく、ますます離職者が増えるという負のスパイラルに陥っていることが少なくありません。

開設から時間が経っているのに、大人数の募集をしているところや、頻繁に求人が出されている事業所は、慢性的な人で不足の可能性がありますから、注意が必要です。

職場の人間関係が悪い

「平成27年度介護労働実態調査」では、介護関係の仕事を辞めた介護職員に対して辞めた理由を調査しています。

介護の仕事を辞めた理由として最も多かったのが「職場の人間関係の悪さ」。

日勤・夜勤というようにシフトを組みながら、チームでケアにあたる介護現場で働く人同士の関係悪化は深刻な問題です。

職場の人間関係を理由として離職していく人は、離職者の4人に1人。その数字の多さからも、職場の人間関係の大切さがわかります。

将来の見通し・キャリアプランが描けない職場

もちろん、介護施設側にとっても大切な職員の離職は大きな打撃です。事業所側でも人材定着のための取り組みを行っているところもありますが、現行の介護報酬では人材確保や定着に向けた十分な給料が払えないと考えている施設が半数以上となっています。(平成27年度介護労働実態調査より)

働く側にとって、長く働くためには生活に不安の残らない程度のお給料は必要不可欠。低賃金では結婚や出産などのライフプランが描けない、そんな理由から介護の仕事を去っていく人も少なからずいるのが現状です。

また、介護業界は、キャリアプランが描きにくい業界とも言われています。

企業とは異なり人材育成や研修の時間が十分に取れていない事業所や、働く人に対して将来を見据えた昇進・昇格プランを見せられない事業所は離職率が高くなる傾向にあると言えるでしょう。

離職率の低い(定着率の高い)施設・職場の特徴

研修制度や、昇給プランやキャリアプランが提示されている

長く介護という仕事を続けるにあたっては、働く介護職員のスキルアップは必須です。

より専門的、より良い介護サービスを提供するための研修や資格取得、それに伴う昇進・昇給プランがあらかじめ提示されている施設や職場は、職員のモチベーションも高く、定着率が高いこともしばしば。

雇用する側が、働く人を「育てる」そんな姿勢のあるなしは、定着率に大きく影響しています。

賃金体系がいい・ボーナスが出る

平成27年度介護労働実態調査によれば、介護業界の平均月給は21.7753万円。

職種別に見てみると、最も高いのが看護職員で26.6万円、次いでケアマネージャー(25万円)、生活相談員・支援相談員(23.2万円)、サービス提供責任者(21.9万円)、介護職員(19.8万円)と続いています。
※施設長(事業所管理者)は除く。

事業所によって、ボーナスをきちんと出すところもあれば、ボーナスがないところもあり、当然給与が多くもらえる施設や職場は働く人も長く続けたいと思うもの。

全国平均値を参考に、お勤め・就職検討中の施設や職場の賃金体系をチェックしてみましょう。

職員同士が何でも言い合えるオープンな雰囲気

介護の仕事を辞める大きな理由の一つが「職場内の人間関係」です。

上司だけでなく、同僚との付き合いや後輩指導などに悩み、精神的に大きな負担を抱えている人も少なくありません。

こうしたストレスを感じさせず、チームワーク良く仕事ができれば当然やりがいも感じられるもの。

定着率の高い職場や施設の特徴として職員同士の人間関係の良さは重要なポイントです。

優良施設・職場の求人情報と傾向

離職率の低い(定着率の高い)働きやすい施設・職場は、働く側なら誰もが勤めたいと思うもの。

そのため、求人は離職率が高いところと比べて少ないのが実態です。

こうした職場を見つけるためには、常に求人情報をチェックし、どのような施設・職場が求人を出しているかを日頃から知っておくといいでしょう。

求人情報を見つけたら、以下の4つがチェックポイント。

  • 採用人数と職員数の比率
  • 求人募集を出している頻度
  • 給与が他と比べて異様に高くないか
  • 年間休日数

採用人数と職員数の比率

大量採用などの募集が出されている際には、一気に人が辞めている可能性があります。

もちろん、新規開設や定員増を見込んでの求人なら正当な理由といえますが、募集が職員数と比べて多い場合には要注意。離職率が高い施設の可能性があります。

求人募集を出している頻度

絶えず求人募集を出しているような職場は、定着率が低い可能性が大いにあります。

採用基準が厳しいなどの理由で人が見つからない理由以外には、待遇や人間関係の悪さが理由かもしれません。

いい求人というのはそれほど多くないものだから、「よく見る求人」には注意が必要です。

給与が他と比べて異様に高くないか

普通であれば給与がいいのは優良施設・職場のように思えますよね。

でも、他の同じタイプの施設と比べて給与があまりに高ければ、残業が多かったり、離職率が高いことから求人を急いでいたりする可能性も。

優良施設は給与に関してもしっかりしているはずですから、採用面接などの際に、給与条件などをクリアにしておくといいでしょう。

採用人数と職員数の比率

「年間休日」とは1年でどのくらい休みが取れるかを図る目安となります。有給休暇を除いた年間休日の介護事業所平均は厚労省の調査によれば109.2日。

110日以上であれば平均より多く休めますから、その分体制がしっかりしている傾向にあると言えます。

まとめ:離職率の高い職場は短いスパンで人が入れ替わっている可能性が大

国の統計などを紐解いてみてみると、介護の離職率が高いと言われる所以は、3年未満に辞めていく人の多さからくると考えられます。

入ってすぐにイメージや理想と違っていたと辞めるような、労働者側の理由以外にも、職場の人間関係の悪さや給与・働き方など事業所側の理由も多いもの。

離職者の7割ほどが3年以内に辞めていると言う実態を踏まえると、働きやすい職場を見つけるには求人動向を常にチェックし、どんな施設が求人を出しているかを日頃から知っておくことが大切です。